『世界で一番美しい ペンギン図鑑』
好きな動物は?と聞かれたらペンギンと答える人多いと思います。以前、長崎県のペンギン水族館に行きました。水族館も好きなんですがペンギンに癒されました。今回は家にあるペンギン図鑑を紹介します。
世界で一番美しい ペンギン図鑑: 絶景・秘境に息づく (ネイチャー・ミュージアム)
- 作者: 水口博也,長野敦
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2018/06/07
- メディア: 単行本
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1.ペンギンはどう進化してきたか
- 恐竜から鳥へ、鳥からペンギンへ
- 鳥のペンギン化
- ペンギン化のタイミング
- ペンギンの起源
- ジャイアントペンギン
- 現生ペンギンの登場
- 現生ペンギン
ペンギンとは鳥でありながら空を飛ぶことをやめ、代わりに翼を使って水中を移動するようになった鳥である。ペンギンは鳥類であり、鳥類は中世代に栄えた恐竜から進化した。
最古のペンギン化石は、新生代の初期、約6200万年前の地層から発見されたワイマヌである。ワイマヌは空を飛ばず、翼で水中を推進する鳥である。
生物の五大絶滅の一つである『白亜紀末の大量絶滅』で大型の捕食者が姿を消し、空を飛んで逃げる必要がなくなった。
化石記録から、ペンギンが出現したのは、ゴンドワナ大陸の太平洋側の海域で、ニュージーランドがその中心であった可能性が高い。
生物は進化の過程で大型化することが多く(コープの法則)、化石ペンギンで最大のケルコウスキペンギンは体高170cm、体長2mまで達していた。化石ペンギンの中でコウテイペンギンよりも大きなものはジャイアントペンギンと呼ばれ、およそ5500万年前から2000万年前まで存在し3400万年前を境にやや小型化している。ジャイアントペンギンはハクジラとの餌をめぐる競争に破れ姿を消してしまった。
現在のペンギンの繁栄を支えているのは、潜水・遊泳により適した翼、内陸の繁殖地まで移動できる強力な足、寒冷な海域に豊富なオキアミ食など、過去の化石ペンギンにはなかったものであり、海生哺乳類との競争の結果獲得したものだと思われる。
現生ペンギンの化石がもっとも多く発見されているのは南アメリカであるが、分子生物学では南極に起源をもつ可能性も示している。誕生からその後、南極大陸の周囲を東むきに流れている南極還流と、南極還流に接続している海流を利用して南半球の各地に分布を広げていった。
2.ペンギンの行動と生態
- 飛翔力を失った鳥
- ペンギンたちの採餌生態
- ペンギンたちの育雛
- ペンギンたちをとりまく危機
ペンギン目の現生種は1科18種からなり、目として飛行能力を失っている点で海鳥としてはきわめて特異なグループである。すべて南半球に分布する。
ペンギン目は、深く長く潜水して、オキアミ、ハダカイワシ、イワシ類魚類、イカなどを追跡して捕獲し食べる。これらの餌のうち、野生単一種としては、世界でもっとも生物量が大きいと言われるナンキョクオキアミがとくに重要である。アデリーペンギン、ヒゲペンギン、マカロニペンギンなど、南極大陸や亜南極の島にすむペンギンはナンキョクオキアミに大きく依存し、これを食べられるかどうかが彼らの繁殖成績を大きく左右する。
コウテイペンギンとオウサマペンギンは大きな卵を1個だけ産むが、ほかの種類は2卵を産む。ペンギンは繁殖にエネルギーを注ぐ傾向があり、親の年間生存率は75~95%である。
ペンギン科の個体数は大きく変化しており、その傾向は種によっても場所によっても異なる。気候変化と人間活動がその原因であると考えられる。地球温暖化やそれにともなう海氷面積の減少と関係や、海氷の減少とともに資源量が減っていたり、漁業との競争などが指摘されている。
[感想]
表紙と題名から購入した写真集でした。単なる写真集というだけでなく、生態、取り巻く地球環境の状況なども掲載され、様々な視点から楽しめる。氷の世界だけでないペンギンたちの生活圏を知ることもできます。ペンギンといえば、南極のイメージが強かったのですが、種としては、熱帯~亜熱帯にすむペンギンのほうが圧倒的に多いことに驚きました。雪や氷とは縁のない、バルデス半島のような乾燥した場所や、高温多湿な熱帯の海辺、温帯の森林にも生息していることも知れて良かったです。