きのみきのまま

女子大生の読書備忘録

文学・評論

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

文庫化されたことと映画化も重なって読んでみました。実は映画を先に見てしまって、その後本屋に寄って帰りました。ピアノを弾ける人に昔から憧れているからか、音楽を題材とする作品はかなり好きです。 蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)作者: 恩田陸出版社/メー…

『コンビニ人間』村田沙耶香

芥川賞受賞作です。主人公は、コンビニ店員として働く事で社会の歯車になれていることを実感できており、仕事もやりこなします。本書が、訴えかけてくるものは、普遍的なものであるような気がしました。 コンビニ人間 (文春文庫)作者: 村田沙耶香出版社/メー…

『世界から猫が消えたなら』川村元気

私のお気に入りの一冊です。川村さんの初小説とのことですが、とても引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。佐藤健さん主演で映画化もされていますが、原作である本著を読んでほしいです。 世界から猫が消えたなら (小学館文庫)作者: 川村元気…

『チャンス』太宰治

今度、小栗旬さん主演で映画がありますね。この作品では彼の恋愛論が語られていています。青空文庫にもありますし、短いので興味ある方は一度見てみると面白いと思います。核心をつくような内容でした。 チャンス (青空文庫POD(ポケット版))作者: 太宰治出…

『劇場』又吉直樹

『火花』を読んでから、随分経ったなと思いました。今作も、大変面白く読ませて頂きました。文庫化されたようで買ってみました。特に、文豪たちがサッカーをするシーンは読みながら笑ってしまいました。 劇場作者: 又吉直樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2…

『鍵のない夢を見る』辻村深月

この作品は、直木賞を受賞した際に読んだ本です。いま思えばこれが辻村深月さんとの出会いでした。地方の街でささやかな夢を見る女たちの暗転を描いた素敵な作品で、辻村さんの本で一番好きな作品です。 鍵のない夢を見る (文春文庫)作者: 辻村深月出版社/メ…

『草の花』福永武彦

同性愛について描いてある作品を探していたところ出会いました。私は福永武彦さんを知らなかったのですが、とても繊細で、行間にさえ詩的な余韻を残す美しい作品でした。ほかの作品も読んでみたいです。 草の花 (新潮文庫)作者: 福永武彦出版社/メーカー: 新…

『パノラマ島綺譚』江戸川乱歩

いまドラマ『あなたの番です』で話題になっている推理小説ですね。私が江戸川乱歩を初めて耳にしたのは『名探偵コナン』で、今回初めて読んでみました。ネタバレ込みで書きますので気を付けてください。 パノラマ島綺譚 江戸川乱歩ベストセレクション (6) (…

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

家族関係は、人格形成に大きな役割を果たす。家族の形態が変わりながらも、愛情をかけてもらって、結婚という人生の新たなスタートまで渡されるバトン。自分に取り巻く、大事なものに気づかされる一冊。 【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された作…

『グスコーブドリの伝記』宮沢賢治

タイトルにもなっている「伝記」を広辞苑で引くと「個人一生の事績を中心とした記録」とあります。私の好きな宮沢賢治さんですが、自分の伝えたいことを物語の中に落とし込まれている作品に魅かれます。 新編 風の又三郎 (新潮文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メ…

『よだかの星』宮沢賢治

私が最も好きな作家のひとりです。彼の小説は大好きなんですが、特に詩集『春と修羅』を読んだ時の衝撃は忘れられないですね。今回はかなり短い作品にはなるのですが『よだかの星』を紹介していきます。 よだかの星 (日本の童話名作選)作者: 宮沢賢治,中村道…

『本日は大安なり』辻村深月

記事を書いている今日は「仏滅」で、明日が「大安」だということに気づきました。日常のなかで、六曜を気にすることないですよね。今日の六曜が気になったのは初めてかもしれないです。本日は仏滅なり。 本日は大安なり (角川文庫)作者: 辻村深月出版社/メー…

『朝が来る』辻村深月

辻村深月さんのこと好きな読書家の人はかなり多いと思う。私もそのひとりなんだけれど、彼女の小説は私の感情の言語化できていない部分を丁寧にすくってくれる。今回も、すぐに一冊読み終えてしまった。 朝が来る (文春文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: …

『キッチン』吉本ばなな

私は、読んでいる時に「私にもこの気持ち分かる!この感情を文字で表現してくれる小説家にやっと出会えた!」となった時が、小説を読んでいて一番良かったと思える瞬間です。他の人は、どうなのだろう。 キッチン (福武文庫)作者: 吉本ばなな出版社/メーカー…

『仮面の告白』三島由紀夫

初めて『金閣寺』を読んだ時の衝撃は忘れられません。天才だと、心の底から思える小説家との出会いでした。三島由紀夫の最初の書き下ろし長編である本著ですが、天才ということを再認識させられました。 仮面の告白 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカ…