きのみきのまま

女子大生の読書備忘録

人文・思想・宗教

『もしもあなたが猫だったら?――「思考実験」が判断力をみがく』竹内薫

著者は「思考実験」=脳内シチュエーションを刺激的なゲームであると同時に、科学的思考法を身につける絶好のトレーニングだと言います。私はいつも寝る前に考え事するのが好きだから、気になりました。 もしもあなたが猫だったら?―「思考実験」が判断力をみ…

『センスある日本語表現のために―語感とは何か』中村明

「語感」って何かと聞かれると、説明するのは難しいですよね。感覚的な言語論を超えた語感の整理・分析は、いかに行なわれ得るのか。本書は、豊かな言語生活を楽しむヒントを提供してくれる内容でした。 センスある日本語表現のために―語感とは何か (中公新…

『躁と鬱――波動に生きる』斎藤茂太

梅雨も明けて夏が始まりました。天気と同じように、人は大なり小なり「躁」や「うつ」の感情の波動の中に生きています。病的な症状に陥る場合もありますが、それを様々な症例をあげて解きあかす本です。 躁と鬱―波動に生きる (中公新書 580)作者: 斎藤茂太出…

『顔の現象学』鷲田清一

人ごみを歩くと、様々な顔が見えます。すれ違う顔もあれば、微笑みかけてくる広告もあります。他人との共同的な時間現象として出現する曖昧微妙な顔を、現象学の視線によってとらえる興味深い本でした。 顔の現象学 (講談社学術文庫)作者: 鷲田清一出版社/メ…

『神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話―』なだいなだ

宗教の呪縛と、それからの解放が繰り返されてきたという。教義や信仰のあり方からではなく「信じる」ことを求めてしまう人間の方から、宗教とは何かを考えていき、社会、歴史まで問いを重ねてあります。 神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 (…

『死の人類学』内堀基光 山下晋司

至上の超越者である「死」を、人間がどのように文化の中に組み込んできたのでしょうか。本書では、死に対する人間の態度を描こうとするものです。「死」を扱った本の紹介が多くて申し訳ないです(笑)。 死の人類学 (講談社学術文庫)作者: 内堀基光,山下晋司…

『君主論』ニッコロ・マキャベリ

世間一般的に悪名高いと思われる本著。人間の現実を通して、指導者の決断とは何かをは、道徳論ばかりが語られていた当時の社会では、極めて画期的だった。私が印象的だったものをピックアップしてみた。 新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)作者: ニッコロマキアヴ…

『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 』マイケル・ピュエット クリスティーン・グロス=ロー

私たちは、パターン化された反応に陥りがちだという。気づかないうちに、常に決まった行動をして、これまで通りの行動にしばられず、自分を変える可能性を限定しないためにはどうすればいいのだろうか? ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを…

『服従の心理』スタンレー・ミルグラム

盗みや殺しや暴行を心底嫌っている人でも、権威に命令されたらこうした行動をあっさりしてしまいがちだという。そういう心理の根底には何があるか気になって、分かりやすい訳ですぐに読破してしまった。 服従の心理 (河出文庫)作者: スタンレーミルグラム,山…

『共産党宣言』マルクス エンゲルス

少し前に指導教授から薦められた本です。前から読もう読もうと思ってたものの、引き延ばしにしていた一冊。岩波文庫に手をだすものの、小説とかに比べて読むのに時間かかってしまうのがいまの悩みです。 マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)作者: マ…

『自殺について』ショウペンハウエル

タイトル買いしました。私は吉本ばななさんの『キッチン』の主人公のように、私も「自分がいつか死ぬということを感じ続けていたい。でないと生きている気がしない」。決して、自殺したいわけではない。 自殺について 他四篇 (岩波文庫)作者: ショウペンハウ…

『人間の条件』ハンナ・アーレント

タイトル買いです。私達を人間たらしめているものは何かと気になったのですが、私にとって内容が難解でした。もしかしたら、挫折してここに辿り着く人がいるかもしれないと思いながら記事を作りました。 人間の条件 (ちくま学芸文庫)作者: ハンナアレント,Ha…

『群衆心理』ギュスターヴ・ル・ボン

数日前、改元でかつてない盛り上がりをみせた日本列島ですが、最近は流行ったものが廃るスピードがとても速く感じています。一連の現象を客観的に分析している本を探したときに見つけたのが本著でした。 群衆心理 (講談社学術文庫)作者: ギュスターヴ・ル・…